安全性の高い治療
手術のときは、目薬の麻酔をします。注射などはしませんが、手術に対する不安感や緊張などで、気分が悪くなったり、血圧が急に高くなったり、低くなったりする方がいらっしゃいます。名古屋アイクリニックでは、どんな緊急時にも対応できるように手術中は経験豊富な麻酔科医が待機していますので、ご安心ください。
白内障手術はとても安全な手術です。手術である以上ごくわずかではありますが、予期せぬこと、合併症が起こることもあります。以下に、おもな合併症に関しお示しします。
手術中に起こりうること
- あらゆる目の手術で起こりうることですが、目を切った瞬間に、目の中で大出血をして失明する危険性があります。ただし、わずか2.4mm切るだけですので、当院ではそのようなことが起きたことは一度もございません。
- 非常にまれですが、二次的に手術が必要になる場合もあります。水晶体嚢(すいしょうたいのう)とよばれる袋の中にレンズを入れて固定しますが、この袋は細い糸のようなもの(チン小帯)で吊されています。この袋や糸が弱い方の場合、手術中に袋が破れたり、固定している糸がはずれたりしてしまうことがあります(発生の頻度は1%以下です)。その場合、レンズを細い糸で縫って固定する手術が必要となります。この手術は日帰り手術ではなく、中京病院に入院していただき、万全の体制のもと、再手術を受けていただきます。
最終的には、よい視力に回復いたしますので、ご安心ください。
その他、手術後に起こりうること
- 眼圧上昇
一過性ではありますが、術後眼圧が上がってしまうことがあります。ほとんどの場合、翌日か2日後には下がります。眼圧を下げるための目薬や内服薬を処方することがあります。 - 術後感染
白内障手術の切開創は2.4mmと非常に小さいですが、手術後にそこからばい菌が入ってしまうことも考えられます。そのため、少なくとも1週間は汚れた手で触ったり、目に水が入ったりしないように気をつけてください。1週間は保護用のメガネをかけていただきます。 - 嚢胞様黄斑浮腫(のうほうようおうはんふしゅ)
まれですが、手術後しばらく経ってから、網膜の中心部分(黄斑部)が腫れてだんだん視力が落ちてしまうことがあります。予防する目薬をお渡ししますので、目の調子が良くても忘れずに点眼してください。 - 角膜内皮細胞減少
角膜は黒く見えますが、実は透明です。元々角膜が弱い方は、手術のあと内皮細胞が減って、腫れて白く濁ってしまうことがあります。その可能性があるかどうかは、手術前にしっかりチェックします。 - 後発白内障
術後数ヶ月から数年経つと、レンズを入れている袋(水晶体嚢)が濁ってくる場合があります。これは2割くらいの方に起こりますが、視力が低下した場合は、レーザーで袋の真ん中の部分に窓を開けます。1分ほどで終わり、痛みもなく簡単に終わりますのでご安心ください。その後再び濁ることはありません。
見え方の変化
- 乱視
乱視の原因には角膜(黒目の部分)と水晶体の2つがあります。手術で水晶体の乱視はなくなりますが、角膜の乱視は残ります。そのため、乱視を補正するためのメガネが必要になる場合もあります。 - 度数
眼内レンズの度数は、目のサイズを正確に測定して割り出します。約9割の方は予測どおりピッタリで、術後、メガネなしで、遠くまたは近くが見えるようになりますが、わずかですが、度がずれる場合があります。その場合は薄い老眼鏡や遠く用のメガネが必要になる場合もあります。 - 色の見え方
水晶体の濁りのせいで手術前は黄色っぽく、または白っぽく見えていたのが、急に10代や20代の見え方になり視界が青っぽく見えてびっくりされる方もあります。はじめは戸惑うかもしれませんが、10代の頃はこのように見えていたんだな、と気にしないようにしていれば、だんだん慣れてきます。 - 飛蚊症
手術後明るくなったものの、飛蚊症を感じる場合があります。これは目の中の硝子体とよばれる部分の混濁で、老化現象により起こります。ふわふわ見えるもので、手術前は気づかなかった飛蚊症を感じることもありますが、元々目の中にあったもので悪いものではありません。 - 眼底異常
白内障の手術をしても、目の奥のフィルムにあたる部分の網膜や神経などに問題がある場合は、視力が出にくいことがあります。ただし、手術前よりは明るくなって見やすく感じるでしょう。